僕は大学を卒業して婦人靴を販売している会社に入社しました。
いわゆるアパレルの販売員です。
入社して間もない頃は、先輩から「お前の接客はつまらない」「店に立つな」などと怒られまくりました。
ですが、この先輩を見返したいという気持ちだけで頭をフル回転させて頑張っていたら入社して4ヶ月経った8月には全国に500人ほどいる社員の中で、販売成績3位を取ることができました。
今回は急激に販売成績を上げたぼくなりの接客のコツをお伝えしようと思います。
接客のコツは以下の5つです。
- お客さまを楽しませることが大前提
- お客さまの身体発信を見逃さない
- ファーストアプローチに命をかける
- 会話の中でニーズを探る
- 根拠のあるクロージング
サクッと読める目次
接客のコツ①お客さまを楽しませることが大前提
接客の行き着くゴールはお客様を楽しませることです。
販売員はいわば、エンターテイナー。
お客さまを楽しませてナンボです。
お客さまを楽しませる形はいろいろあると思います。
笑わせたり、本当に欲しいものを提案したり、いい買い物ができたと思ってもらったり。
ぼくは、全てはお客さまに笑顔で帰っていただくために接客するということを心がけていました。
ここを軸に持っていたら接客に幅が出てくると思いますし、自然とお店での立ち振る舞いも変わってくるでしょう。
販売員はエンターテイナーでなければいけません。
接客のコツ②お客さまの身体発信を見逃さない
お客さまを楽しませるためには、お客さまの「人となり」を注意深く観察しなければいけません。
あなたはどこからどこまでお客さまを見ていますか?
ぼくがいた会社はファッション商業施設や百貨店にお店を出していたので、入店されたお客さまがどこのお店に入った後か、なども全てチェックしていました。
入店されてからの動きではなく、入店される前からの動きも見るようにしていたということです。
販売員同士でおしゃべりしているヒマなんてありません。
歩くスピード、目線、触っているもの、着ている服、色、体型、持っているもの、お客さまの身体的特徴を全て観察しました。
そこから考えられることができる、人となりや趣味嗜好、ライフスタイルなど、お客さまがどのような人間なのかを全て考えて接客に活かすようにしていました。
例えば、お客様に提案すると喜んでいただけそうな商品を頭の中で思い浮かべて、販売する準備をしていました。
接客のコツ③ファーストアプローチに命をかける
ファーストアプローチは販売の中で一番大切なプロセスです。
まさにお客さまが「話しかけて欲しい」と思っているタイミングや、お客さまに共感していただける声かけをするようにしていました。
そうすれば、お客さまとの親密度が高まり、購買率がグンと上がります。
ファーストアプローチは、会話が始まるようなセリフが望ましいです。
婦人靴で例えると、赤色の服を着たお客さまが赤色の靴を手にとって見ていた場合、一般的には「試着してみてくださいね」という言葉をかけると思います。
ぼくは「赤色、お好きなんですか?」「赤色のデザインがかわいいですよね」という声かけをしていました。
そうすれば、「私、赤色好きなんです!」「私もかわいいと思ってみてました!」という返事を期待することができます。
お客さまに共感していただけるアプローチはとても重要です。
「試着してみてくださいね」という声かけだと「はいー」「ありがとうございますー」で終わりです。
まずは、会話のきっかけを生み出すファーストアプローチのセリフを考えてみて下さい。
関連記事>>>ファーストアプローチのセリフ!元アパレル販売員が実際に使っていた言葉8選
会話を生み出し、ニーズを引き出し、商品を提案し、試着をしてもらい、クロージングするというのが接客の流れになります。
「試着してみてくださいね」という試着を促すアプローチももちろん重要です。
試着をすることでセールストークができるので購買率が上がるからです。
試着を促すセリフはファーストアプローチをした後、お客さまと信頼関係を築き、商品を提案するときにするべきです。
そのため、いきなり試着を促すセリフをファーストアプローチとして使うのは、「この洋服を試着してみたい」と思っているお客さまに対して声かけするのは有効ですが、「とりあえず声かけする」のは好ましくないです。
お客さま自らが「試着してみたい」と言っていただけるような販売員を目指しましょう。
接客のコツ④会話の中でニーズを探る
ファーストアプローチの後に、会話を作り出した後(接客に入った後)の話です。
プライベートには踏み込み過ぎず、ニーズを探ります。
よくニーズも聞かずに商品の説明をやたらとしてくる販売員の人もいますが、あれは間違いです。
ヒールは高めが好きなのか、今持っている靴は何色が多いのかなど、会話をしながらお客さまのライフスタイルや趣味嗜好を想像します。
大事なのは売りたい(提案したい)商品を想定した質問をできているか、ということです。
例えば、お客さまが赤色の靴に興味を示していると想定しましょう。
お客さまが赤色が好きだと仮定すれば、「実は赤色の靴を持っていない」というパターンか、「赤色の靴は持っている」パターンを考えます。
それを直接「赤色の靴を持っているかどうか」聞くのではなく、「何色の靴を持っているか」聞いてみます。
そうすると、「けっこう黒系が多くてー」とか「赤が好きで赤色ばっかり持ってるんですよー」という話になります。
直接、赤色の靴を持っているかどうかだけを聞いてしまえば、「赤色の靴を持っているか持っていないか」しか情報は得られません。
しかし、何色の靴を持っているか聞くことで「赤色の靴以外の色の靴」を持っているかどうかの情報を得ることができます。
黒が多いという反応であれば、「黒は合わせやすいのでついつい選んじゃいますよね」という返事を用意しておきます。
赤色が多いという反応であれば、「赤色がお好きなんですねー」という返事を用意しておきます。
ここで「赤色が好き」という返事が来れば、一つ情報が手に入り、より赤の靴を提案したら購買率が上がると想定することができます。
このように、「赤色が好きなんだろうな」→「赤色の靴を売りたい(提案したい)な」と頭で仮定しておきながら、赤色の靴を提案するためには、どんな要素が必要か考えます。
この場合でしたら、
- 赤色が好きであること
- 赤色の靴をたくさん持っていること
などがあげられます。それがわかれば、十分赤色の靴を購入していただける可能性は高まりますよね。
こちらが知りたい情報(ニーズ)を引き出すことが大事です。
いよいよ相手のニーズがわかったので、このタイミングで試着を促します。
「実際に履いてみて、履き心地を試してみませんか?靴はデザインが気に入っても痛かったら履かなくなってしまうので、、」という感じでしょうか。
接客のコツ⑤根拠のあるクロージング
試着してもらい、いよいよお客さまの背中を押してあげる段階です。
メリットピックアップ法を使い、商品の魅力を伝えていき購買意欲を高めていきます。
メリットピックアップとは、「○○なので××です」という、結果(××)に対して根拠となる原因(○○)を伝えるテクニックです。
ただ、「いいですよ」と伝えるだけではなくて、何が「いい」のかを伝える、ということですね。
例えば、「黒色なので、どんな服装でも合わせやすいですよ」や「ビビッドな色なので、ワンポイントで使うとかわいいですよ」などです。
必ず理由をつけて論理的に説明できれば、お客さまも納得してくださいます。
例えば、クロージングの前の段階で、お客さまが「カラフルな色をした服装をすることが多い」という情報を引き出すことができたとしましょう。
カラフルな服装である場合は、足元に黒色を持ってくると全体が締まるので、この場合は「黒色の靴はどんな服装でも合わせやすい」という言葉が、よりお客さまには刺さるでしょう。
ニーズの掘り下げや会話というのは、クロージングの時に味方になってくれます。
クロージングまでにどれだけ情報を引き出すことができるか、が重要ですね。
先ほどの例でいうと、「靴は黒系が多い」と答えている場合であれば、「赤色がお好きと仰っていましたし、この機会に赤色にチャレンジされてはいかがですか?」と背中を押してあげる提案をする。
「靴は赤色が多い」と答えている場合であれば、「やっぱり好きな色ってたくさん欲しくなりますよね」という感じでそっと赤色を推す。
クロージングで大事なのは、背中を押してあげることです。迷っているのであれば、悩みを払拭する言葉を助言してあげます。
例えば、あまり色物の靴を買わないお客さまが赤色の靴を買おうか悩んでいたとします。
であれば、「(いつもは黒色の靴に目がいくけど)せっかく気に入った色の靴なので、この機会に一足いかがですか?」という感じですかね。
決して、不安を煽ったり、今買わないと損ですよ!というようなマイナスな助言は、してはいけません。
接客のコツ まとめ
意外と実際に使えるセリフを書いている接客術がないと思ったので、記事にしてみました。
もちろん、商品が似合う似合わない、デザイン、色味、客数、店構え、店舗の大きさ、接客スタイルなどなど、様々な要因が重なるので、このように簡単にことは運びません。
しかし、上記に挙げた接客のコツを意識していけば、自ずと売れる販売員になります。
細かいスキルで言えば、メリットピックアップ以外にもリフレインや動的待機、服装や髪型、もっともっとあるんですが、ザックリとお伝えしました!
心理学は絶対に勉強した方がいいですよ。
全てはお客さまに楽しんでいただくためです。これを忘れないようにしましょう。
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